さて、今回は最近ネットでめちゃくちゃ話題になっていた、とあるスーパーの画期的な取り組みについて深掘りしていこうと思います。
皆さん、「ナニコレ珍百景」って番組をご存じですか。
あそこで紹介されて、大きな注目を集めたのが、スーパー「Big-A(ビッグ・エー)」さんの商品パッケージなんです。
会計時にレジで、店員さんが商品のバーコードを必死に探している姿を目にしたことはありませんか。
僕はもう「手伝ってあげたいな…」って思うこともしばしば。
急いでいる時に限って見つからなかったりすると、お客さん側もちょっとイライラしちゃいますよね。
そんなレジでの「あるある」を見事に解消してくれる商品パッケージが、いまネットで話題沸騰中なんです。
■目次
- 牛乳パックにバーコード1周表示|「Big-A」の多面バーコードがナニコレ珍百景
- 牛乳パックにバーコード1周|「Big-A」の多面バーコードは「探す手間」をなくす発想がすごい
- 牛乳パックにバーコード1周|「Big-A」の多面バーコードは「塵も積もれば山となる」を体現した革新
- 牛乳パックにバーコード1周|「Big-A」の多面バーコードは日本の流通を変える可能性を秘めたデザイン
牛乳パックにバーコード1周表示|「Big-A」の多面バーコードがナニコレ珍百景
■レジ革命。全周バーコードの正体とは?
これが本当にすごいんですよ。
商品のパッケージの底や側面を、バーコードがぐるっと一周しているんです。
あるいは、牛乳パックみたいに全体に、ペットボトルだと各側面に複数個のバーコードが付いていたりする商品もあるんですよ。
正直初めて見た時は「え、ナニコレ!?」って度肝を抜かれました。
僕の近所のBig-Aでも、プライベートブランド(PB)の牛乳やスパゲティでこのデザインが採用されているのを見つけて、思わず二度見しちゃいましたね。
商品によってバーコードの数や大きさ、デザインは様々なんですけど、中には内容表示やパッケージデザインにも配慮しつつ、最大で4箇所にバーコードがつけられている商品もあるというから驚きです。
これなら、もうどっち向きでも、どの角度からでも、バーコードが一瞬で見つかるじゃないですか。
店員さんは商品を目視することなくスキャンできちゃう。
まさに、レジ打ちの常識を覆すデザインですよね。
牛乳パックにバーコード1周|「Big-A」の多面バーコードは「探す手間」をなくす発想がすごい
そもそも、Big-Aさんがこの画期的なバーコードを導入した背景には、お客さんのレジ待ち時間の短縮と店舗のコスト削減という、シンプルながらも深?い狙いがあったそうなんです。
「レジ待ちの時間を短縮して、少しでも買い物を快適にできるように」と考え、この「多面バーコード」を開始したと、担当者の方が語られています。
それまで、袋入りのもやしやバナナなんかはバーコードが小さかったり、一面にしかなかったりで、店員さんが探すのに手間取っていたという不満が社内から多数寄せられていたそうです。
お客さんのため、そして従業員のため。
その両方を真剣に考え抜いたからこそ生まれたアイデアなんですね。
実際に導入は2019年9月にパルメザンチーズからスタートしたというから、もう何年も前から取り組んでいたんですね。
こういう地道な改善って、本当に頭が下がります。
わずか1秒が、とんでもない時間短縮に化ける!
じゃあ、この「多面バーコード」が具体的にどれくらいの効果を生み出しているのかって気になりませんか。
Big-Aさんの試算によると、なんと1商品あたり最低1秒のスキャン時間短縮ができたそうなんです。
これって、レジの訓練を全くしたことがない人でも、この効果が出るというから驚きですよね。
たかが1秒。
でも、これが積み重なるとどうなるか。
Big-Aさんの全店舗で1年間で見ると、最低でも3万1000時間もの処理時間が削減できているというんです。
もう、想像を絶する数字ですよね。
従業員さんからも「作業が楽になった」「スキャンのスピードが上がる」「もっと増やしてほしい」と大好評だそうですよ。
削減できた時間で、従業員さんがレジ打ち以外の清掃や品出し、売り場の整理などの業務に取り組めるようになったんです。
これって、別途人を雇うことなく、お店全体のオペレーションが回るようになったってこと。
レジの待ち時間が減ることでお客さんのイライラも減るし、店員の皆さんの負担も軽くなる。
まさに、お客さんもお店もハッピーになれる、素晴らしい取り組みだと僕は感動しました。
牛乳パックにバーコード1周|「Big-A」の多面バーコードは「塵も積もれば山となる」を体現した革新
今回の「多面バーコード」から僕が学んだのは、まさに「塵も積もれば山となる」という言葉の重みです。
たった1秒の短縮。
個々の効果は本当に小さいかもしれないけれど、それを全店舗で、年間を通してコツコツと積み重ねていった先に、こんなにも巨大な時間削減という「山」ができあがるんです。
マーケティングの世界でも、一つの施策で劇的に売上が上がるなんてことは稀ですよね。
でも、お客さんの目線に立って「より快適に」「よりスムーズに」という想いを込めて、小さな改善を積み重ねていくこと。
「正しいと思うことを、時間をかけてやり抜く姿勢」が、いかに大事かってことを改めて教えてもらった気がします。
牛乳パックにバーコード1周|「Big-A」の多面バーコードは日本の流通を変える可能性を秘めたデザイン
この斬新なデザイン、実は製造するメーカーさん側はかなり大変だったそうなんです。
バーコードを一周させるという要望を聞いた時、「率直にデザイン作成が難しいのではと思った」と、製造元のトモヱ乳業さんが語っています。
製造ラインでの不具合が出ないか、法律で必要な表示が全て収まるか、さらには外部の団体からの承認がもらえるかなど、様々な調整と確認に苦労されたそうですよ。
それでも、Big-Aさんの要望に応え、試行錯誤の末に完成したこのデザインは、本当に素晴らしいですよね。
Big-Aさんでは、この取り組みを「smart scan style(スマート・スキャン・スタイル)」、略して「トリプルS」と名付けていて、「日本の流通を変える!」という大きな目標を掲げています。
もし日本中のメーカーがこのデザインに追随していけば、会計時のロスが大幅に減り、僕たちの買い物体験ももっと快適になるはずです。
僕もこれからもこの「多面バーコード」商品を見つけたら、密かに心の中で応援していこうと思います。
皆さんも、もしBig-Aさんに立ち寄ることがあったら、ぜひそのぐるっと一周バーコードを探してみてくださいね。
きっと、ちょっとだけ感動するはずですよ。