母の待つ里(ドラマ)考察wiki|最終回(4話)で松永徹(中井貴一)はなぜ戻った?

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いやもう、NHKドラマ「母の待つ里」は、たった全4話とは思えないほど濃密な、まさに大人のためのファンタジーでしたよね。

浅田次郎さんの原作をベースに、虚構と現実の皮膜をゆくような世界観が見事に映像化されていて、私も最終回を見たときは、涙腺が崩壊しながらも、深い余韻に浸ってしまいましたよ。

最終回(第4話)が残した感動と、そこに至るまでの道のりを、熟練ブロガーの私が熱量たっぷりにお届けしますね!

ぜひ最後までお付き合いください!

※当記事はネタバレに配慮して作成しています。

■目次

母の待つ里(ドラマ)wiki|最終回(4話)までのストーリーの振り返り

この物語の根底にあったのは、都会で疲れ、孤独を抱える人々が、お金で「母」と「故郷」という名の安らぎを買い求めるという、なんとも切ない設定でした。

年会費35万円の「アーバニアンカードプレミアムクラブ」会員だけが利用できる、1泊2日50万円の「ホームタウンサービス」

舞台は岩手県遠野市をモデルにした美しい里山で、宮本信子さん演じる藤原ちよさんが、血の繋がりがないにもかかわらず、訪れる客を温かい母性で包み込む「母」を演じていました。

■第1話:松永徹(中井貴一)の場合

大手食品メーカーの社長である松永徹さんは、仕事一筋で独身、頂上に登り詰めたゆえの孤独を抱えていました。

40年ぶりに里帰りした「故郷」で、ちよさんの作る懐かしい料理や、世話を焼いてくれる姿に安らぎを感じますが、なぜか母の名前だけが思い出せないという違和感から物語はスタートしました。

サービスだと知ってもなお、徹さんはこの温もりを求め続け、リピーターとなるんですね。

■第2話:古賀夏生(松嶋菜々子)の場合

続いて里を訪れたのは、大病院に勤める医師の古賀夏生さん。

認知症の母を施設に入れ、最期まで十分に向き合えなかったという罪悪感を抱えていました。

ちよさんは、カード会社のルールを破ってまで夏生さんに「ご愁傷様です」と声をかけ、医師を辞めようとする彼女を「わがままだ」「命を救える立場だろう」と厳しくも愛のある言葉で諭しました。

この言葉が夏生さんの心を動かし、彼女は仕事への取り組み方を変えていきます。

■第3話:室田精一(佐々木蔵之介)の場合

そして、人生の居場所を一気に失ったのが室田精一さん。

定年退職したその日に妻から離婚を突きつけられ、まさに失意のどん底にいました。

村人たちのぎこちない演技をからかいながらも、ちよさんの「何があってもおめの味方だからの」という無条件の愛情に、精一さんは瞬く間にノックアウトされます。

彼は「嘘の中に真実があった」と感動し、ちよさんに「一緒に暮らしてくれないか」とまで求婚し、移住を決意するほどのめり込んでいきました。

この回、夏生さんが巡回看護師として里を訪れ、精一さんと鉢合わせるというハプニングもあって、この「仮の家族」の関係が、どんどん深まっていることを感じさせてくれましたね。

その温かい時間が終わるかと思いきや、物語のラストで衝撃の展開が待っていました。

徹さん、夏生さん、精一さんのもとに、「母・ちよさんが亡くなった」という訃報が届く

精一さんが、これもサービスの一環ではないかと笑い飛ばそうとする場面が、ちよさんへの愛着の深さを物語っていて、たまらなく切なかったです。

母の待つ里(ドラマ)|最終回(4話)ストーリー解説

【公式サイトあらすじ、ニュースやX(旧twitter)投稿、感想ブログなどをもとに解説】

■最終回(4話)の核心に迫るストーリー

最終回「藤原ちよの場合」は、訃報を受けて半信半疑ながらも里の通夜に駆けつけた「子どもたち」の姿が、胸を締め付ける感動の連続でした。

徹さん、夏生さん、精一さんの3人がバスの中で再会し、初めて顔を合わせる

互いにカード会社の利用者だと分かり、同じ「母」を共有した義兄弟だと知るわけですが、その関係性の自然さに涙が出ました。

通夜の席では、村人総出で3人を温かくもてなしてくれ、和尚さんから「亡くなった人の思い出を語ると、あの世で花びらが降る」という供養の話を聞かされます。

3人はちよさんとの特別な思い出を語り合い、遠い空の向こうの母を供養しました。

そこへ真夜中、関西で居酒屋チェーンを経営する4人目の「弟」、田村健太郎さん(満島真之介)が駆けつけ、物語の核心が明かされるんです。

田村さん夫婦は親を知らずに育ったため、ちよさんにだけ、自分のつらい生い立ちを明かしていたんですね。

それに対し、ちよさんが打ち明けたのは、東日本大震災で、山を越えた漁師町に住んでいた実の息子一家を津波で失っていたという、あまりにも切ない過去でした。

ちよさんは、遺体も見つからなかった息子が「いつかここに帰ってくる」と信じて待ち続け、その喪失感を埋めるかのように、「ホームタウンサービス」で訪れる利用者全員を、亡き息子に重ね合わせ、本当の我が子のように愛情を注いでいたのです。

つまり、ちよさんの言葉や振る舞いは、演技ではなく、母としての真実から出ていたものだったわけです。

母の愛の深さと、彼女が背負っていた悲しみを知った「子どもたち」は、人生の再出発を決意します。

夏生さんは村の元小学校で診療所を開く計画を立て、精一さんも移住を決意。

そして物語は、徹さんの衝撃的な選択へとなだれ込んでいくんです。

母の待つ里(ドラマ)|最終回(4話)で松永徹(中井貴一)はなぜ戻った??

■松永徹(中井貴一)はなぜ戻った?? 最後の笑顔に込められた意味

最終回で最も心に残るシーンの一つが、徹さんの最後の行動でした。

徹さんは会社の重要な会議のため、他の二人よりも早く東京へ戻るべく、里を後にします。

新幹線の駅で、ちよさんが最後に手にしていたという折り鶴を手に取ったとき、徹さんの心は大きく揺れます。

彼は秘書からの電話を無視し、急いで村へ引き返すバスに乗り込むんです。

運転手さんが「行き先は?」と尋ねると、徹さんは「わからない」と答え、満面の笑みを浮かべながら「とりあえず前へ行きたい」と告げます。

これが、たまらなくグッときたんですよ。

徹さんは、長年、大企業の社長という立場や、周りの期待という「酸素の薄い山の頂上」に縛られて生きてきました。

彼の行動は、理屈や計算に基づくものではなく、ちよさんが注いでくれた無償の愛情と、田村さんの話で知ったちよさんの壮絶な生き方によって、自分の心と体が本当に求める場所を選んだ結果だと思うんです。

運転手への「わからない」という返答は、社長という肩書きを捨て、人生の行き先を初めて自分で選んだ、という、「自由」の象徴ではないでしょうか。

ちよさんが最後に彼にくれた贈り物は、家でも仕事でもない、自分の人生を選択する力だったんだと感じさせられます。

そしてラストは、ちよさんが畑仕事をする中で、犬のアルゴスと共に振り返り、「ついに来たか、けえってきたか」と、待ち続けた実の息子一家との再会を果たしたことを示唆するような、最高の笑顔で幕を閉じます。

悲しい死の知らせで終わるかと思いきや、そこには究極の愛と希望が描かれていて、本当に素晴らしいラストシーンでしたね。

母の待つ里(ドラマ)|キャスト相関図

■キャスト・登場人物の相関図(疑似家族と村のキャスト)

「母の待つ里」は、豪華な俳優陣が演じる「都会で孤独を抱える利用者」と、宮本信子さんが中心となる「故郷のキャスト」の構図が、物語を深く豊かにしていました。

■ちよの「子どもたち」(利用者)

役名 演者 背景・役割
松永 徹 中井 貴一 大手食品メーカー社長。故郷を持たず、仕事での成功と引き換えに孤独を抱え、安らぎを求める。
古賀 夏生 松嶋 菜々子 総合病院の医師。実母の死に後悔を抱え、「母」の言葉で医師としての使命感を再認識する。
室田 精一 佐々木 蔵之介 元管理職。定年直後に妻から離婚を告げられ、居場所を失い、ちよに傾倒する。
田村 健太郎 満島 真之介 関西の居酒屋チェーン経営者。親の顔を知らずに育ち、ちよに深い信頼を寄せ、ちよの真実の過去を明かす。

■「母」と里のキャスト

役名 演者 役割
藤原 ちよ 宮本 信子 「ホームタウンサービス」の母役。震災で息子一家を失い、利用者たちを亡き息子に重ねて真実の愛情を注いでいた。
和尚 伊武 雅刀 里の和尚。サービスに協力するキャストの一人。
シンコ 菜葉菜 村の管理人(元小学校)など。サービスの舞台裏を夏生に教える。
ノリスケ 五頭 岳夫 村のキャストの一人。
佐々木サチコ 中島 ひろ子 村のキャストの一人。
アルゴス のこ ちよの家にいる犬。里の象徴的な存在。

■その他

役名 演者 役割
吉野 永田 凜 ホームタウンサービスのコンシェルジュ。
品川 操 入山 法子 松永徹の秘書。
室田 怜子 坂井 真紀 室田精一の妻。

まとめ

この「疑似家族」の絆は、血の繋がりがなくても、心と心の触れ合いがいかに大切かを教えてくれましたよね。

都会の孤独がリアルに描かれていただけに、ちよさんの温もりが、どれだけ彼らの人生を救ったのかを考えると、胸が熱くなります。

まだ見ていない方には、ぜひオンデマンドで最初から追いかけてほしい、本当にすべての人に見てほしい傑作だと思います!

最後までお付き合いいただいてありがとうございました。