漁港の肉子ちゃん考察wiki|二宮の病気は発達障害?感想は気持ち悪い?面白い?

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『漁港の肉子ちゃん』って、タイトルだけ聞くとちょっとエキセントリックな印象を受けますよね。

でも、この作品に込められた愛情の深さと、描かれている人間の持つ「歪さ」や「複雑さ」が、本当に心に響く傑作だと僕は思うんですよ。

今日は、ネットでよく検索されているこの映画の気になるポイントを、熟練ブロガーの考察目線で深掘りしていきますね。

ぜひ最後までお付き合いください!

※ネタバレ注意

■目次

漁港の肉子ちゃんwiki|基本情報

まず、この作品がどういうものなのか、基本的な情報から押さえておきましょう。

『漁港の肉子ちゃん』は、直木賞作家である西加奈子さんの同名ベストセラー小説を原作としたアニメーション映画です。

累計発行部数は35万部を突破している人気作なんですよ。

公開されたのは2021年6月11日で、上映時間は97分と比較的観やすい長さになっています。

そして、この作品が大きな話題を呼んだ最大の理由が、明石家さんまさんが初めて企画・プロデュースを手がけた劇場アニメだという点です。

制作は、『鉄コン筋クリート』や『海獣の子供』など、アート性が高く評価されているSTUDIO 4℃が担当しており、その映像クオリティの高さは折り紙付きです。

物語の舞台は、北のどこかにある架空の港町。

そこへ流れ着いた、ダメ男に騙されてばかりの底抜けに明るい母・肉子ちゃん(38歳)と、彼女とは正反対に大人びた小学5年生の娘・キクコ(11歳)の日常が、心温まるタッチで描かれます。

特に、映画版では二人が漁港に停泊しているグラスボートを改造した船に住んでいるという設定になっていて、これがまた日常の中にファンタジー感をプラスする素敵な演出なんです。

漁港の肉子ちゃん考察|二宮の病気は発達障害?

キクコのクラスメイトとして登場する二宮(にのみや)くんは、物語の鍵を握る重要なキャラクターの一人です。

彼はキクコと同じ小学校の同級生で、普段は物静かで目立たない少年ですが。

彼の最大の特徴は、自分の意思とは関係なく、突発的におかしな表情をしてしまうことです。

アニメーションではこの変顔がコミカルかつ誇張気味に描かれていて、初めて観た時は「おっ、変わった子だな」って強く印象に残ります。

この描写について、作中では明確に病名が語られるわけではありませんが、多くの考察では、これはチック症(チック障害)やトゥレット症候群を示唆していると考えられています。

二宮くん自身も、その症状を心配した親の勧めにより、「ことぶきセンター」という施設で模型(ジオラマ)制作を強制的に、あるいは療養的に行っている様子が描かれています。

この模型作りという行為が、彼にとって集中できる自分の世界であり、気持ちを紛らわせる方法になっているのかもしれません。

個人的に、二宮くんの魅力は、単に変顔をする変わった子としてだけでなく、キクコにとって大切なものを思い出させ、導いてくれる存在である点にあると思います。

キクコが抱える人間関係の悩みや、自分自身の「ずるい」一面に気づけたのも、彼の存在があったからこそ。

彼はキクコに、町を一望できる「オレだけのとっておき」の秘密の場所を教えるのですが、これも彼がキクコを信頼している証ですよね。

ちなみに、原作の二宮くんは軽く不細工な設定だったそうですが、映画版ではイケメンキャラに改変されています。

この改変は、映画が持つ「ガールミーツボーイ」的な側面を強調したかったからではないかと、僕は勝手に解釈しています。

漁港の肉子ちゃん|二宮の声優は?

二宮くんの声を演じたのは、いまや超人気実力派声優の花江夏樹さんです。

『鬼滅の刃』の竈門炭治郎役などで知られる花江さんのキャスティングは、公開時も大きな話題となりました。

花江さんは、二宮くんを演じるにあたって、メインキャストの大竹しのぶさんやCocomiさんのテイストに合わせるため、声優としての技術をあまり使わない、実写に近い自然体なお芝居を意識したそうです。

その結果、二宮くんの声は、作中キャラクターの中では一番声が小さく、落ち着いた感じになっています。

僕がこの演技で凄いと思ったのは、花江さんがディレクションされたという、「会話をしているようでしていない、自分の言いたいことを一方的に投げかけて会話を進めるような子」という、つかみどころのない不思議な少年の雰囲気を完璧に表現しきっている点です。

花江さん自身も、二宮くんの「じっとしていられない」「自分の世界を持っている」という点に共感したと語っていますから、彼の内面が声に深く反映されていたのかもしれませんね。

漁港の肉子ちゃん考察|感想は気持ち悪い?面白い?

『漁港の肉子ちゃん』を検索すると、「ひどい」「気持ち悪い」といったネガティブなキーワードも出てきて、視聴をためらっている人もいるかもしれません。

しかし、これは作品の質が低いというよりも、テーマや表現の独自性が観客の感性を強く刺激した結果だと僕は考えています。

実際、この映画は国内外の映画祭で賞を受賞しており、日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞にも輝いている、高い評価を受けた作品なんです。

「ひどい」「気持ち悪い」と言われる主な理由

観客から「気持ち悪い」「ひどい」という感想が出た背景には、主に以下の要素が挙げられます。

まず、一部の誇張されたビジュアルと演出です。

特に、肉子ちゃんの初登場シーンでのデフォルメされた体型描写や、二宮くんの変顔の誇張表現、そしてトカゲや鳥居などが喋りだすファンタジー的な演出が、人によっては「生理的に受け付けない」「トトロのようだけど、ストーリーに関係なくて必要性がわからない」と感じられたようです。

次に、声優陣への賛否両論です。

特に肉子ちゃん役の大竹しのぶさんの声がキャラクターに合っていない、と感じた人もいるようですし、娘のキクコ役を声優初挑戦のCocomiさんが務めたことで、「棒読みっぽい」と感じた人も少なからずいました。

そして、最も賛否を分けたのが、物語のクライマックス、キクコが初潮を迎えるシーンです。

肉子ちゃんがキクコに「おめでとう」と言うこの場面は、血縁を超えた母の揺るぎない愛情を示す感動的なシーンなのですが、思春期のデリケートな問題をストレートに描写したことで、特に現代の観客の中には「気まずい」「そっとしておいてほしい」と感じる人もいたようです。

このシーンは、「子供が産めるようになったことを祝う」という昭和的な価値観の象徴でもあり、この映画全体に漂う「昭和の浪花節」的なノスタルジーや人情味が、若い世代や現代のリアリティを求める観客には合わなかった側面もあるでしょう。

また、明石家さんまさんがプロデュースしたことで、映画の内容というより、宣伝のハッシュタグ(#みんな望まれて生まれてきたんやで)に対して「綺麗事だ」「押しつけがましい」といった批判的な意見が出たことも、「気持ち悪い」という印象に繋がった一因かもしれません。

それでも私が「面白い」と感じた理由

しかし、僕はこの作品を観て、素直に「良質なジュブナイルドラマとストレートな人情話に感動した」と感じました。

特に心を打たれたのは、血縁を超えた「家族」の絆が描かれている点です。

肉子ちゃんとキクコは実の親子ではありません。

それでも、キクコが「肉子ちゃんみたいにはなりたくない。太ってて不細工で、でもな。うちは肉子ちゃんのことが大好きや」と告げるシーン。

そして、サッサンがキクコに「ちゃんとした大人なんていねんら」「子供のうちにいーっぺ恥かいて、迷惑かけて、そんでまた、生きていくんらて」と語りかけ、「お前は望まれて生まれてきたのだ」と断言するシーンは、誰かと心で繋がることの温かさを力強く伝えてくれるんですよ。

僕自身、完璧な大人なんていないって日々感じていますから、サッサンの言葉にはグッとくるものがありました。

また、キクコが二宮くんとの交流を通じて、自分の人間関係における「ずるい」一面を自覚し、成長していく姿もすごくリアルで、「極端と極端」の狭間で揺れ動きながらも、自分の居場所と自己を肯定していく彼女の姿に胸を打たれました。

もし、あなたがこの作品の「温かさ」や「人情味」を求めているなら、そして「完璧ではない人間同士がどうやって愛し合っていくか」という普遍的なテーマに興味があるなら、ぜひ一度観てみてほしいです。

まとめ

僕の正直な感想は、「小難しいことは抜きにして、号泣とまではいかないけど、胸の奥底が熱くなる良作」でした。

血縁や常識という枠を超えて、「生きてるだけで丸儲け」というメッセージを全力で受け止められる、素敵な作品だと僕は信じています。

最後までお付き合いいただいてありがとうございました。