皆さん、映画への情熱、燃えてますか。
最近公開された映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』が、SNSでも話題沸騰中ですよね。
僕も試写で観てきたんですが、これがもう、色々な感情が渦巻く衝撃作でした。
特にこの作品、実際にあった事件をモデルにしているっていうから、その「真相」が気になって調べてる人も多いんじゃないかな。
今回は、拓翔くんを巡る事件の、特に皆さんが気になっているポイントを、僕なりに深掘りして解説していこうと思います。
ぜひ最後までお付き合いください!
※ネタバレ注意
■目次
でっちあげ(映画)解説|なぜ薮下先生は氷室拓翔(たくと)虐待で訴えられた?
薮下先生が訴えられた背景にあるもの
一体なぜ、小学校教諭である薮下誠一先生が、教え子の母親から「凄惨な体罰」を告発されてしまったのか。
これはね、本当に人間心理の怖さみたいなものが凝縮されているんですよ。
事の発端は、拓翔くんがほんのささいな嘘をついたことから始まるんです。
宿題の忘れ物かなにかで、母親の律子さんから叱られるのが怖かったんでしょうね。
「鉛筆と消しゴムを置き忘れてきちゃったのは、薮下先生に捨てられたからだ」って、軽い気持ちで口にしたそうなんです。
親ってね、もちろん子供の言うことは信じたいし、守ってあげたいって気持ちが強いじゃないですか。
律子さんも、その拓翔くんのささいな一言を聞いた時、きっと「うちの子がこんなこと言うわけない」って、怒りの矛先が薮下先生に向かってしまったんでしょう。
そこからはもう、「どうにかして薮下先生を悪者に仕立て上げられないか」って、ある意味で暴走に近い行動に出てしまうんです。
彼女は、拓翔くんに「アメリカ人の血が流れていることを知った先生が差別した」とか、「耳がちぎれそうなくらい引っ張られた」とか、さらには「死に方教えてやろうか」と恫喝されたなど、本当に衝撃的な内容を次々と訴えていくんです。
でもね、これ、ほとんどが虚偽だったんじゃないかっていう疑惑が裁判で次々と明らかになっていくんですよ。
例えば「アメリカ人の血」なんて、家族歴を調べたら祖父が日本人だったとか。
耳や鼻の怪我だって、元々拓翔くんが持病で鼻炎があったり、アレルギーで耳に発疹が出て出血した可能性が高いってことが示唆されていました。
さらには、拓翔くんがPTSDを発症したっていう診断も、実際には虚偽だったってことが法廷で暴かれるんです。
学校側も、この騒動には適切に対応できなかった部分があったように感じます。
校長先生や教頭先生は、世間体を気にして、「とにかく謝罪して穏便に済ませろ」って、薮下先生に強く迫るんですよ。
保身に走る大人の姿は、観ていて本当に胸糞悪かったですね。
そして、週刊誌の記者、鳴海三千彦の存在も、この事件を大きく加速させます。
彼は、律子さんの証言だけを鵜呑みにして、「殺人教師」なんてセンセーショナルな見出しで薮下先生の実名を報道してしまうんです。
これによって、薮下先生は日本中から猛烈なバッシングを受けることになる。
裏取りもせずに煽情的な記事を書くマスコミの恐ろしさ、世間の恐ろしさを改めて痛感させられましたね。
僕らが普段、何気なく目にしているニュースも、もしかしたらこんな風に「でっちあげ」られているものがあるのかもしれないって思うと、ゾッとしますよね。
でっちあげ(映画)解説|氷室拓翔(たくと)はなぜ嘘を隠し続けた?
子供が隠し続けた真実
じゃあ、拓翔くん本人は、なぜ母親の言う通りに嘘をつき続けたのか。
なぜ、本当のことを言えなかったのか。
これもね、映画を観ていると本当に切なくなる部分なんですよ。
始まりは、たった一つのささいな嘘だったはずです。
でも、その小さな嘘が、教育委員会が「教師によるいじめ」と認定し、メディアが「殺人教師」と報じるほどの大きな騒動に発展してしまった。
ここまで事が大きくなってしまうと、小さな子供には、もう引っ込みがつかなくなってしまったんだと思います。
自分がついた軽い嘘が、こんなにも恐ろしい事態を引き起こしてしまった。
その事実に、拓翔くんも恐怖を感じていたのかもしれないですね。
さらに、劇中では、母親の律子さんが、拓翔くんの発作の様子をビデオに撮るシーンが出てきます。
これはね、律子さんに脅されたり、あるいは何か恐怖を与えられて、演技をさせられていたんじゃないか、っていう解釈ができます。
子供って、純粋なだけでなく、自分の身を守るために嘘をついたり、大人に合わせて「良い子」を演じたりする側面もあるんですよね。
拓翔くんにとって、それはある種の「生き残り術」だったのかもしれない。
母親や医師、弁護士の前だけでは、彼ら好みの「被害を受けたかわいそうな子供」を演じていた。
でも、学校では元気いっぱいで、クラスメイトからしたら「なぜ彼だけがニヤニヤしているんだろう?」って不思議に思われていた節もあるんですよ。
それに、劇中で言われていた耳や鼻の怪我だって、実際は薮下先生に危害を加えられたものではなく、彼自身の持病やアレルギーによるものだったと明かされていましたよね。
最後にまとめ
子供の「聖域」という言葉が、この事件では重くのしかかっていたんだなって、つくづく感じます。
子供が訴えたら、教師は悪者になるしかない。
そんな社会の「思い込み」が、拓翔くんが真実を語ることをさらに難しくしてしまったのかもしれません。
僕だったら、こんな状況に置かれたら、きっと怖くて口がきけなくなっちゃうだろうな。
最後までお付き合いいただいてありがとうございました。