イカゲーム3解説|ジュニの赤ちゃんが222番!

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『イカゲーム3』を観終えた皆さん、心に深く刻まれたあの赤ちゃんの存在について、気になっている方も多いのではないでしょうか。

私もこのシリーズを追いかけ続けてきましたが、今回のシーズン3で描かれたジュニの赤ちゃんを巡る物語は、本当に心を揺さぶられるものでした。

ただのサバイバルスリラーに留まらない、『イカゲーム』が問いかける「人間らしさ」の核心に、この小さな命がどれほど深く関わっていたのか。

今回は、その赤ちゃんの物語をじっくりと紐解いていきたいと思います。

ぜひ最後までお付き合いください!

※ネタバレ注意

■目次

イカゲーム3解説|ジュニの赤ちゃんの誕生と「プレイヤー222番」への衝撃

シーズン3で最も衝撃的だった展開の一つは、なんといってもジュニの赤ちゃんの誕生でした。

想像を絶するデスゲームの最中、第4ゲームの「かくれんぼ」の迷路の中で、まさかジュニが出産するなんて、私も本当に驚きました。

クムジャやヒョンジュといった仲間たちの助けを借りて、あの極限状態の隠れた部屋で、新しい命がこの世に生み落とされたのです。

その瞬間、狂気に満ちたゲームの世界に一筋の光が差し込んだような、そんな不思議な感動を覚えましたね。

しかし、その感動も束の間、すぐに冷酷な現実が突きつけられます。

足首を負傷し、次のゲーム「大縄跳び」に参加することが困難になったジュニは、自分の命と引き換えに、ギフンに赤ちゃんを託すという究極の選択をします。

「この子を守ってほしい」という母親の切なる願いは、画面を通して私たちにも痛いほど伝わってきました。

そして、ジュニが自ら命を絶ち、奈落の底へ落ちていくシーンは、本当に胸が締め付けられるようでした。

ところが、その直後、私たち視聴者をさらに驚かせたのは、VIPたちの残酷な決定でした。

彼らは、ジュニの死後、その生まれたばかりの赤ちゃんを「プレイヤー222番」としてゲームに参加させると発表したのです。

純粋無垢な命を、欲望にまみれたデスゲームの駒として扱うその非情さに、私は思わず息を呑んでしまいました。

赤ちゃんの存在は、この作品が描く社会の冷酷さ、そして命の尊厳という重いテーマを、より鮮烈に浮き彫りにしたように感じます。

イカゲーム3解説|ギフンの決意とジュニの赤ちゃんのの存在が持つ意味

シーズン3冒頭、ギフンは親友チョンベの死と反乱の失敗という、二重の悲劇に打ちひしがれ、まるで魂が抜けたような状態でした。

食事も喉を通らず、ゲーム続行の投票にも棄権するほど、生きる気力を失っていたのです。

そんな彼の心に再び灯がともったのは、ジュニから託された赤ちゃんの存在でした。

赤ちゃんは、ギフンにとって「守るべきもの」という新たな使命を与え、彼を絶望の淵から引き戻すきっかけとなります。

かつては自分の借金返済のために命懸けで戦っていたギフンが、今度は何の罪もない小さな命を守るために闘志を燃やす姿は、本当に感動的でした。

赤ちゃんは、この地獄のようなゲーム空間における、唯一の「希望」や「未来」の象徴として描かれます。

無垢で汚れのない存在が、同時に命の危険にさらされるという残酷な現実は、私たち視聴者に「命とは何か」「誰がその価値を決めるのか」という根源的な問いを投げかけます。

最終ゲーム「スカイイカゲーム」の柱の上で、ミョンギと激しい格闘を繰り広げながらも、ギフンが赤ちゃんを守り抜こうとする姿は、まさに人間性の極致を見せてくれたように思います。

そして、ミョンギが転落し、ギフンと赤ちゃんだけが残された時、ギフンは究極の選択を迫られます。

ゲームのルール上、誰かが落下しなければゲームは終わらない状況で、ギフンはVIPたちの目の前で、「私たちは馬じゃない。人間だ」と叫び、赤ちゃんを犠牲にすることなく、自ら命を絶って落下していったのです。

彼のこの自己犠牲は、単なる敗北ではなく、非人道的なゲームシステムに対する最大の抵抗であり、人間としての尊厳を守り抜いた「勝利」だったと私は感じました。

ギフンの死は、命の消費される世界で、それでも人間らしさを貫き通せるという「希望のあり方」を私たちに強く訴えかけているのではないでしょうか。

イカゲーム3解説|ジュニの赤ちゃんの父親ミョンギの葛藤と最期

ジュニの赤ちゃんを巡る物語において、もう一人、重要な役割を担ったのが、赤ちゃんの父親であるミョンギでした。

彼は元々、仮想通貨の詐欺に関与し、多額の負債を抱えてゲームに参加した人物です。

シーズン2からその身勝手さや狡猾さが描かれていましたが、シーズン3ではジュニと赤ちゃんの存在によって、彼の人間性がより複雑に映し出されました。

ジュニが赤ちゃんを産んだ際、ミョンギは驚きと動揺を見せ、ジュニと赤ちゃんが危機に瀕した際には、一時的に彼女たちを守ろうとするような素振りを見せることもありました。

しかし、彼の「守る」という行動は、時に自分の利益や保身のための「計算」が混じっていたように感じられます。

ジュニが自ら命を絶った際、ミョンギは近くにいたにもかかわらず、彼女を止めることはしませんでした。

そして、最終ゲームでは、赤ちゃんを守ろうとするギフンに対し、「この子は僕の子です」と叫びながらも、最終的には赤ちゃんを犠牲にしてでも賞金を独占しようとする本性を露わにします。

このミョンギの言動は、私たちに「誰かを守る」という行為の裏に潜む人間のエゴや、欲望の恐ろしさをまざまざと見せつけましたね。

「正義」のように見えても、それがどこか歪んでいる。

そんな人間の複雑な本性を、イム・シワンさんの鬼気迫る演技が本当にリアルに表現していました。

そして、最終的にミョンギは、ギフンとの激しい争いの末、柱から転落して命を落とします。

彼の死は、欲望に囚われ、人間性を失っていくことの悲劇的な結末を象徴しているように感じられ、深く考えさせられました。

イカゲーム3解説|ジュニの赤ちゃんの「優勝」とその後

ギフンの自己犠牲によって、最終的に生き残ったのは、ジュニの赤ちゃん、「プレイヤー222番」ただ一人でした。

そして、この赤ちゃんが、なんとゲームの優勝者として宣告されるのです。

この展開は、多くの視聴者にとって驚きであり、同時に様々な解釈を生むものでした。

赤ちゃんが優勝するという結末は、この狂った世界で唯一純粋な命だけが生き残るという、ある種の残酷な寓話のように私には感じられました。

しかし、同時に、未来への希望、あるいは人間が失ってはならないものが、この小さな命に託されたのだとも受け取れます。

ゲーム終了後、島が爆破される直前、フロントマンは、ギフンの自己犠牲に心を動かされたのか、赤ちゃんを救い出します

そして、数ヶ月後、フロントマンは、兄であるジュノの自宅に、成長した赤ちゃんとともに、その優勝賞金である456億ウォンが振り込まれたカードを届けます。

なぜフロントマンがそのような行動に出たのか、その真意は多くを語られませんが、私はギフンの行動が彼の心に変化をもたらしたのではないかと強く感じています。

長年ゲームの支配者として君臨してきた彼の中にも、まだ人間らしい感情が残っていた証拠のように思えました。

ジュノが突然、億万長者となり、見知らぬ赤ちゃんを育てることになったという、シーズン3ならではの結末もまた、このシリーズらしいひねりですね。

赤ちゃんの行く末や、ジュノがこの莫大な賞金と新たな「家族」とどう向き合っていくのか、想像は尽きません。

そして、物語の最後には、ロサンゼルスの路上でスカウトマンが「めんこ」のゲームをしているシーンが描かれ、そこにフロントマンが通りかかるという、「ゲームはまだ終わっていない」ことを示唆するような衝撃的な展開が待っていました。

最後にまとめ

この作品が提示する、終わりのない資本主義社会の闇と、それに抗う人間の姿。

ジュニの赤ちゃんは、その全てを包み込む「未来」そのものだったのではないでしょうか。

この物語は、私たちに「人間とは何か?」という問いを投げかけ続ける、本当に深い作品だと改めて実感しました。