皆さん、映画『ドールハウス』、もうご覧になりましたか?
僕も公開前からずっと楽しみにしていたんですけど、いやー、これは本当にすごい作品でしたね。
ただ怖いだけじゃない、人間の心の奥底をえぐってくるような、まさに「ゾクゾクのドールミステリー」でした。
特に、観終わった後もずっと頭から離れないのが、あの衝撃的なシーンの数々。
今回は、皆さんが気になっているであろう、「歯型を確認するシーン」と、多くの人が「え、どういうこと!?」と戸惑ったであろう「ラストの真実」について、僕なりの考察を交えながら、じっくり語っていきたいと思います。
かなりネタバレを含みますので、まだ映画を観ていない方は、ここから先は自己責任でお願いしますね。
一度観たら忘れられない、あの恐怖の深層へ、一緒に踏み込んでいきましょう!
ぜひ最後までお付き合いください!
※ネタバレ注意
■目次
ドールハウス(映画)考察・解説|あの歯型シーンの衝撃。
まず、あの真衣ちゃんの口元に血がついていて、お父さんの忠彦が歯型を確認しようとするシーン。
いやあ、あれは本当に心臓がギュッとなりましたよね。
忠彦がおばあちゃんの敏子を噛んだ犯人が真衣ちゃんだと疑い、寝ている真衣ちゃんの口を開けて、食いちぎられた時計のベルトと歯型を合わせようとするんです。
常識的に考えたら、小さな子どもが時計のベルトを噛みちぎるなんて普通は思いもしないことじゃないですか。
でも、忠彦は真衣を疑ってしまう。
ここには、娘への不信感が描かれていると僕は感じましたね。
そして、その瞬間の真衣ちゃんの表情と叫び声。
目を見開いて、金切り声をあげるんです。
一部の考察では、この時、真衣ちゃんはアヤが見せていた幻覚の中にいたのではないか、と言われています。
夢遊病者のように、意識がどこか遠くをさまよっていた状態だったと。
そんな中で、突然、忠彦が真衣ちゃんの唇をこじ開けて歯型を測ろうとしたことで、彼女は急に現実の世界に引き戻されたんですよね。
その急激な現実と幻覚のギャップにパニックを起こして、目の前の父親を脅威だと認識してしまった結果、あの年齢でできる最大の抵抗として叫び声をあげた、と。
つまり、アヤに憑依されていたというよりも、あまりにも恐ろしい幻覚から目覚めた瞬間の、本能的な恐怖と混乱が生んだ悲鳴だったのかもしれませんね。
このシーンは本当にグロテスクだったし、忠彦の娘を信じきれない親としての描写が、また別の意味での人間の怖さを際立たせていました。
ドールハウス(映画)|アヤちゃんはなぜ真衣を奪ったのか。
そして、映画を観た誰もが衝撃を受けたであろう、あの最後の結末のシーン。
鈴木夫妻はアヤを母親の墓に埋葬したことで、全ての問題が解決したと信じていましたよね。
墓から帰る道中、死んだはずの長女・芽衣が現れて、一緒に歩いているようなイメージを見せられますが、あれも実はアヤの呪いによって見せられた偽りの光景だった可能性が高いんです。
佳恵が墓で髪を切ってアヤの幻影から逃れるシーンも、全てはアヤが見せた幻覚だったと考えられます。
映画の最後では、祖母の敏子と呪禁師の神田が鈴木家を訪れるんですけど、その目の前で、鈴木夫妻はベビーカーに乗ったアヤ人形を自分たちの娘・真衣だと信じ込んで、本当の真衣ちゃんが神田たちの車の中にいることにも気づかずに去っていくんです。
車の中から真衣ちゃんが必死に窓を叩いて「私はここにいるよ!」と叫ぶんですけど、彼らにはその声が届かない。
もう、本当に胸が締め付けられるほど切なかったですよね。
最後はなぜこんな悲劇的な結末になったのか。
それは、アヤが自分を虐待していた実母の元へ戻りたくなかったからなんです。
呪禁師の神田は、真衣とアヤ人形の過去の会話が録画されていた映像を見て、アヤが母・妙子から虐待を受けていたことを知り、アヤを妙子の墓に埋葬する判断が間違いだったと悟ります。
アヤは、真衣の家族が羨ましく、優しい両親が欲しかったんです。
だから、真衣の両親を乗っ取って、無理やり自分の両親にしてしまった、というわけなんですね。
アヤは真衣に「お母さんを交換しよう」と話していたことが、子供用カメラの映像に残っていたことからも、その意図がはっきりと見て取れます。
鈴木夫妻が真衣をどこか芽衣の代わりのように扱っていたことも、アヤにとってはこの家族を支配するきっかけになったのかもしれません。
最終的にアヤは、墓に閉じ込められることを避けるために、芽衣の写真を落としたことなどを利用して、自分のことを芽衣だと錯覚させる幻覚を鈴木夫妻に見せたんです。
これにより、鈴木夫妻は真衣も礼も認識できなくなり、まるで極度のストレスによる記憶障害のような状態に陥ってしまった、と考察する人もいますね。
あの平和に見えるラストは、実はアヤが鈴木家を「人形の家」にしてしまった、という最悪の幸せだったわけです。
僕は、あのベビーカーの奥に見えるアヤ人形の顔が、とてつもなく不気味で怖かったのを今でも鮮明に覚えています。
これは単なるホラー映画では終わらない、人間の心の弱さや、過去への執着が招いた悲劇なんだと、改めて感じましたね。
最後にまとめ
今回の『ドールハウス』は、ただ怖いだけでなく、観終わった後に色々なことを考えさせられる、奥深い作品でした。
まだ映画の余韻に浸っている人も、今回の解説で少しでも皆さんの疑問が解消されて、より一層『ドールハウス』の世界を楽しんでもらえたら嬉しいです。
それでは、また次の映画でお会いしましょう!
最後までお付き合いいただいてありがとうございました。